医局員からみた当医局の特徴
琉球大学皮膚科 宮城拓也(琉球大学・平成19年卒)
私が所属する琉球大学医学部皮膚科学教室は一般的な皮膚科疾患に加え、「成人T細胞白血病」、「頭部血管肉腫」、「古典型カポジ肉腫」といった沖縄県で多い悪性疾患や「強皮症」、「皮膚筋炎」、「SLE」といった膠原病を中心とした自己免疫疾患まで幅広く診療しています。
多彩な臨床に加えて、臨床から生じた疑問を解決するために、2016年4月に教授に就任された高橋健造先生の指導の下、研究にも勤しんでいます。
現在、琉球大学皮膚科には子育て中の女性医師が多く所属し、子育てと仕事を両立しながら頑張っています。これは、当教室所属の女性医師が特別な「スーパーウーマン」ではなく、医員同士が助け合い、お互いの仕事をカバーしているから両立できるのです。カバーしあえる仲間が多いほど、日常診療や日頃の生活に余裕を生み、それがさらなる質の高い診療や研究につながることになると思います。そのため、常に琉球大学皮膚科はより多くの仲間を必要としています。
沖縄の方言で「ゆいまーる」という言葉がありますが、これは相互扶助、助け合いを意味する言葉です。当教室では「ゆいまーる」精神の下、お互い頑張ろう!!・・・と誰かが号令を発したわけではないのですが、自然と「ゆいまーる」の状態になっているのが穏やかな南国沖縄にある当教室の最大の特徴かもしれません。そのような当教室でともに「ゆいまーる」を実践し、医師としても家庭人としても充実した生活を送りたい方をお待ちしております。
琉球大学皮膚科 女性医局員から
皮膚科入局時から子育てをしながら働く女性医師のひとりとして、当教室の紹介をさせていただきます。
私は初期臨床研修2年目で妊娠・出産を経験しました。そのため、同期の先生より1年遅れて研修を修了し、当教室に入局しました。琉球大学医学部皮膚科学教室には、私の他にも子育てをしながら働いている女性医師が多く、私は入局する前から、私自身の事情や皮膚科医としての将来について、教授や医局長の先生に相談することができました。
医局の1部屋がキッズルームになっており、子供同伴での出勤が可能です
現在、入局して9年が経過しましたが、この間、通常の子育てに加え、子供の急な発熱、第2子の妊娠・出産など、仕事に穴をあけることは多く、度重なる負担を周りの先生方にかけてきました。それでも、同じく子育てをしている女性医師の先生ばかりではなく、男性医師の先生までもが、私が働きやすいように協力してくださいました。そのサポートのお陰で、他の先生方と同じペースで皮膚科専門医も取得することができました。
私の後にもたくさんの女性医師の先生が入局し、今またベビーラッシュを迎えています。その先生方をサポートするために、昨年医局の1部屋がキッズルームにリフォームされました。勉強会や学会・地方会では託児をお願いできるシステムが導入され、子供の預け先を心配せずに参加できるようになりました。
多くの女性医師は、出産・育児を経て仕事に復帰できるかどうか不安に感じているのではないかと思います。家庭のサポート環境によっても、働き方は人それぞれ異なると思いますが、当教室は仕事を続けたいと思っている女性医師応援してくれる温かい医局です。
男性の先生に限らず、多くの女性の先生方に、見学に足を運んでいただければと思います。
皮膚外科系の進路を考えている方へ
琉球大学皮膚科の特徴の1つとして、皮膚外科グループの存在、豊富な外科手術があげられます。
地理的に島内で医療を完結することが求められますので、良性・悪性の皮膚腫瘍の切除を含め、再建、急性・慢性創傷、熱傷、レーザー治療などの皮膚外科手術を常におこなっています。実際に皮膚科入院患者さんの約半分は手術等に伴う皮膚外科グループが担う患者さん達です。
2017年には、入院手術は212件、外来手術は183件でした。全身麻酔での手術は43件ですが、伝達麻酔も19件と積極的に導入しており、リスクの高い症例や緊急を要する症例でも、できる限り迅速・安全に皮膚手術を行っています。
皮膚の外科手術では、乳児から高齢者まで全年齢層の、頭から下肢、指先までの全身の皮膚が対象です。腫瘍の切除・再建においても定型的な手術ではなく、個々の症例において、部位、年齢、皮膚変化によって方法を検討する必要があり、難しい反面、それがいつまでも手術を続けるやりがいでもあります。術後の瘢痕や変形に対する整容面での気遣いも大切です。悪性腫瘍の方が手術後に傷も目立たず、治癒することは大きな喜びです。
外科系希望の方の入局後の進路としては、
- 入局後1~3年:琉大病院や関連病院での、皮膚科全般と外科的基本手技の研修
- 外来での皮膚生検、皮膚感染症への切開などから研修をはじめ、習熟度に応じて、良性皮膚腫瘍切除等、皮膚科の日常外来で可能な範囲から習熟します。同時に、入院手術の助手、外回りなど手術全般の研修を行います。
次の段階として、慢性潰瘍や腫瘍切除後の2期再建時のデブリードマン、植皮術(分層・全層)を習得します。
その上で、悪性腫瘍の単純切除、比較的容易な局所皮弁を習得します。ここまでは、将来的な皮膚外科指向の入局者のみならず、皮膚科専門医資格取得には必要な技術となります。
ここから、皮膚外科系を志望する皮膚科医を対象とし、より専門性の高い手技習得のためのトレーニングを行います。
- 入局3~5年後:
- 関連病院皮膚科や形成外科、大学病院での高度な皮膚外科の研修、あるいは皮膚科大学院にて、研究に従事しつつ院内の手術を担当など (個人の手技の到達度や希望、人事により相談の上決まります)
- 入局6年目以降:皮膚科専門医取得
- さらなる手術手技の研鑽、手術マネージメントの習得、後輩医師の指導、大学院での博士取得、また、開業については適宜相談の上、進路相談、医局でのサポートがあります。
沖縄県の皮膚科医・皮膚外科医はまだまだ足りていません。
是非、自分の手で、患者さんを治すことができる、皮膚外科で一緒に働きましょう!
多くの入局者をお待ちしております。