カポジ肉腫組織での、HHV8ウイルスの宿主ゲノム挿入部位の比較検討と腫瘍関連遺伝子の変異解析による病態解明(探索的研究)(2024年2月16日~2026年3月31日)
【研究課題名】
カポジ肉腫組織での、HHV8ウイルスの宿主ゲノム挿入部位の比較検討と腫瘍関連遺伝子の変異解析による病態解明(探索的研究)
【研究責任者】
高橋 健造(琉球大学大学院医学研究科皮膚科学講座 教授)
【本研究の目的】
カポジ肉腫はHHV8ウイルスが血管内皮に感染し腫瘍化する疾患である。沖縄県宮古諸島では古典型カポジ肉腫が好発し、高齢男性の両側下腿に結節が同時期に多発する。カポジ肉腫が多中心性に多発する機序はまだ解明されていない。本研究課題は、同一患者の異なる部位のカポジ肉腫腫瘍組織を用い、HHV8ウイルスの挿入部位の特異性や共通性、癌遺伝子の変異プロファイルについて比較検討する。多中心性に発生したカポジ肉腫が、同じ血管内皮細胞の癌幹細胞に由来するのか、HHV8の感染によりドライブされたウイルス感染腫瘍細胞環境に由来するのか、カポジ肉腫は腫瘍ではなく感染症と捉えるべき疾患なのかを解明したい。
【研究実施期間】
2024年2月16日~2026年3月31日
【調査データ(該当期間)】
2015年1月より2023年12月の期間の情報
【研究の方法(利用する試料・情報等)】
- 対象となる患者さま
2015年1月より2023年12月の期間に琉球大学病院皮膚科において、カポジ肉腫と診断された方
- 利用する試料・情報
◇試料:腫瘍病理組織(残余検体)
◇情報:
カルテ情報:生年月、性別、出身地、カポジ肉腫の病型、手術歴、検査所見、治療歴、合併症
調査項目:HHV8ウイルス選択的エクソーム解析データ(DNA)、フルゲノム解析データ(DNA)
トランスクリプトーム解析データ(RNA)
【委託先への試料/情報の提供方法】
匿名化した状態で提供する。
【試料・情報の二次利用】
本研究で取得した試料・情報の利用は、別の新たな研究に利用する可能性がある。その場合は、再度、倫理委員会へ申請し研究機関の長の許可を得て、オプトアウトにより拒否の機会を設ける。
【個人情報の取り扱い】
個人情報とは関係のない符号または番号を付して匿名化し、適切に管理する。収集したデータは専用のパソコン(本研究のみに使用する)に記録し、パソコンにはパスワードを設定し、本研究関係者以外は開けないようにする。匿名化に用いる対応表は鍵のかかる適切な場所で別々に保管する。なお、論文作成時、また学会発表時には個人が特定できる情報は一切用いないが、論文投稿時に出版社やデータベースへのエクソームデータの登録を行う可能性がある。
【本研究の資金源(利益相反)】
本研究は講座等において一括管理を行う寄附金、委任経理金等でおこなう 。本研究は各研究機関の利益相反手続きに従い、必要事項を申告し、その審議と承認を得るものとする。
【お問い合わせ先】
電話:098-895-1153(皮膚科医局)
担当者:高橋 健造(琉球大学大学院医学研究科皮膚科学講座 教授)