琉球大学皮膚科学教室

Department of dermatology,

University of the Ryukyus

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ハンセン病対策におけるリファンピシン耐性遺伝子検出法の確立と評価(研究期間:許可日~2025年03月31日)

本研究は、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「11 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

 

1 対象となる方

西暦1985年1月1日より2010年12月31日までの期間に、琉球大学病院皮膚科でハンセン病と診断を確定され、組織を採取された方。

 

2 研究課題名

承認番号  20221056

研究課題名  ハンセン病対策におけるリファンピシン耐性遺伝子検出法の確立と評価

 

3 研究実施機関

慶應義塾大学医学部 感染症学教室

 

共同研究機関                                     研究責任者

琉球大学医学部 皮膚科学教室       山口 さやか

 

4 本研究の意義、目的、方法

ハンセン病はらい菌による抗酸菌感染症で、皮膚と末梢神経を主な病変とします。病状が悪化すると、難治性の皮疹、脱毛、知覚鈍麻や麻痺が生じます。日本国内では新規発生は年間数名程度ですが、世界では年間約22万人の新規患者が発生する重要な疾患です。

ハンセン病の感染リスクは、同居している場合は約2-10倍に上昇するとされているため、濃厚接触者を対象に予防投薬を行うことが、疾病対策上一定の効果があると考えられています。そこで、リファンピシンという薬剤を濃厚接触者に投与する、single-dose rifampicin post-exposure prophylaxis (SDR-PEP)が有効であると考えられ、2018年のWHOハンセン病ガイドラインにおいてもこれが推奨されています。しかしながら、リファンピシンに耐性のあるらい菌(薬剤が作用するらい菌タンパク質をコードするrpoB遺伝子に変異を持つ)が一定の割合で存在することが知られており、その場合SDR-PEPを行うことは効果がないだけではなく、耐性菌を増加させる危険性があります。そこで、SDR-PEPを行う前にらい菌のリファンピシン耐性の有無を明らかにすることが重要ですが、現在特にハンセン病が流行している途上国でrpoB遺伝子に変異を持つかどうかの検査を実施するのは難しい状況です。

そこで、当感染症学教室では、簡便な手技で実施可能ならい菌のリファンピシン耐性遺伝子検出法の開発を行なっております。発展途上国はもとより、日本国内のどのような施設でもらい菌のリファンピシン耐性遺伝子検出ができるようになることが期待できます。

本研究は、琉球大学医学部皮膚科学教室でハンセン病と診断された患者様から、すでに採取された検査材料(皮膚など)を用いて行われます。具体的には、西暦1985年1月1日より2010年12月31日、琉球大学医学部皮膚科学教室で得られた検査材料を用いて、当教室で新規に開発されたらい菌のリファンピシン耐性遺伝子検出法の有用性の検討を行います。

 

5 協力をお願いする内容

すでに採取された検査材料(皮膚など)を使用すること、また、年齢、性別、既往歴、使用薬剤、臨床経過、検査データ、ハンセン病の病型、病変部位などの診療情報を研究者が取得・使用することへのご協力をお願い致します。

 

6 本研究の実施期間

「研究実施許可日  ~西暦 2025年03月31日」

 

7 プライバシーの保護について

  • 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は一切取り扱いません。
  • 本研究で取り扱う患者さんの検査材料は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。
  • 学会・論文発表の際には、特定の研究協力者の指名を公表することは致しません。
  • 本研究の参加を希望されない場合は、いつでもどのような理由でも不利益を受けることなくやめることができます。その場合、本研究で収集した情報はできる限り速やかに破棄いたします。 「11 問い合わせ先」に記載されている問い合わせ窓口までご連絡ください
  • 但し、学会・論文発表後の研究非参加の申し出に関しましては、対応不可能となります。

 

8   研究に関する情報公開の方法

感染症学教室のホームページに当該研究実施に関して公開します。 研究に参加している他の方の個人情報等の保護に支障がない範囲で、研究計画書をご覧いただくことができます。ご希望の場合には、「11 問い合わせ先」に記載されている問い合わせ窓口までご連絡ください。

 

9   将来の研究のために用いられる可能性又は他の研究機関に提供する可能性

この研究で得られた情報及びデータが、この研究以外の研究に用いられる予定は現在のところありませんが、貴重な試料であるため、将来的に慶應義塾大学や他施設で本資料を用いた研究が行われる可能性があります。

 

10  研究資金等および利益相反に関する事項

帝京大学が公益財団法人笹川保健財団より本研究の実施に使途を指定された研究助成を受けています。慶應義塾大学へは直接の研究資金の提供はありませんが、帝京大学を介して提供された物品を用いて本研究を実施します。研究協力者の方の費用負担はありません。

 

11 お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。

 

慶應義塾大学医学部 感染症学教室 三木田 馨

直通電話:03-5315-4350    FAX: 03-3353-5958